蛇らいさんの映画レビュー・感想・評価

蛇らい

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映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ(2021年製作の映画)

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叶わない夢という事象を魔法という便利な道具ひとつで容易に可視化、簡略化してしまう脚本は感心しない。

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)

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パントマイムのシーンとラストシーンが視覚的には最も印象的。ただその間が単調で退屈。

マッドマックス:フュリオサ(2024年製作の映画)

4.0

ジョージ・ミラーのマッドマックスサーガを死ぬまでにあとどれほど観られるのだろうと思うと、映画産業の寿命すら連想してしまう。それだけ映画としての生命力を感じる作品だった。

フュリオサは故郷へ帰ろうとす
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.5

人との間にある、時間と場所についての考え方が自分の中にあるものと合致しすぎて納得しっぱなしだった。

「20年ほど前あなたの元にあの子を置いてきた」というセリフは、一緒に過ごした場所から過ぎ去れるのは
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ありふれた教室(2023年製作の映画)

3.5

学校内というワンシチュエーションで描いているが、一切中弛みなく次から次へと不穏さが押し寄せる脚本が見事だった。視点の誘導が巧みなカメラワークと編集で没入感も増している。

段々と歯車が噛み合わなくなる
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.6

これは思わぬ拾い物をした。社会問題を扱った作品でありながらユーモアに長けていて、抜けも良い。

女性が中絶する時の不安な心情が繊細に描かれている。手の震えや言葉遣い、天井のひび割れを見つめる視点のカメ
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プリシラ(2023年製作の映画)

2.6

無名のティーンがエルヴィスと付き合えてしまったある種の呪いが描かれるのかと思いきや、エルヴィスとの出会いから別れしか描かれず、その後のプリシラの人生にどう影響していったのかは藪の中。

エルヴィスクラ
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もののけ姫(1997年製作の映画)

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何度目かの。

序盤でヤックルの性格まで説明しきる手際の良さや、蒸気、雲、霧の描写の神々しさが圧巻。呪われた右腕がエボシを殺そうと蕨手刀に手を伸ばすまでの一連の流れが素晴らしい。

ミッシング(2024年製作の映画)

3.2

喫煙所で1人になって思考を逡巡させているところにライターを貸して欲しいとねだられたり、ビラ配りの最中にビラの内容も確認せず何度も同じ質問をしてくる老人などの描写は、生活の上に娘が失踪しているという逃れ>>続きを読む

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.4

監督、作風が変化しても当たり前かのように面白い猿の惑星シリーズのフランチャイズとしてのポテンシャルは凄まじい。シーザーという看板を失ってもなお、分厚いレイヤーのあるストーリーテリングで観客を魅了し続け>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

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誰かが歌う『風をあつめて』が漏れ聞こえるカラオケの廊下で、タバコを吸うスカヨハのショットがあったらそりゃ勝ちだわ。

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

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倫理観から一歩離れたところに美しさを感じる成り立ちに、公開時には感じなかったであろう現在へのカウンターすら感じた。

何も感じ取れていない役としてのサム・ニール、狡猾でありながらも主人公との距離を縮め
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凶悪(2013年製作の映画)

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犯人たちがそこまで凶悪かと言われればそうでもないように感じる。公開時より時間が経過した現実が嫌になる。

湖の女たち(2023年製作の映画)

1.6

意味深なファーストショットから何も飛躍することなく、水に濡れる、泣き叫ぶ、もの思い更けるなどという凡庸な演出で時間が経過する。

過激な性的なシーンから何も物語に接続してこず、事件がなくとも成立する2
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なま夏(2005年製作の映画)

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残虐シーンのディテールの細やかさが際立つ。本来、どうでもいいようなキャスティングと企画であろう受け仕事ではあるが、監督の手腕で映画的な画作りに。

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

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何度目かの。

苦痛と快楽のカットバックにはさすがに痺れた。本作での森田剛の怪演が『検察側の罪人』の二宮和也へ接続していくわけか。

胸騒ぎ(2022年製作の映画)

2.5

言葉を放棄することの愚かさを直接的な感性へのダメージで訴えかけてくるタチの悪さは、良くも悪くも有効だ。他人と関わる時のストレスを事細かに提示し、そのストレスがいつのまにかスリリングへと変遷していく気持>>続きを読む

猿の惑星:新世紀(ライジング)(2014年製作の映画)

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何度目かの。

『クローバーフィールド/HAKAISHA』のルックを継承し、銃社会や他国間との戦争の構図を落とし込む重厚なストーリーテリングだ。

猿の惑星:創世記(ジェネシス)(2011年製作の映画)

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何度目かの。

こんなにも洗練されたショットを連発するような映画だったかと改めて驚かされた。『囚われた国家』以降撮れていないルパート・ワイアットにもっと映画を撮らされてやってくれ。

森で猿を網や仕掛
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猿の惑星(1968年製作の映画)

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当時の技術では猿を思い通りに動かすことができなかったため生まれた、スーツアクターによる猿の演技が功を奏して凄まじく恐ろしい。

中盤、捕まって逃げ出す、対話するまた逃げ出すという見飽きる構成の難はある
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ザ・ゲスト(2014年製作の映画)

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こんな感じなのに、前半までただの居候っていう情けなさが良い。

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

2.6

実景があまりにも少なく、ほぼアニメーション作品を観ている感覚と齟齬はない。物語を紡ぐという映画の醍醐味をはなから放棄し、視覚的なカタルシスへ全振りしたという意味では、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ム>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.2

人が人を裁くという行為について、現代的な解釈を織り込み、容赦ない法廷劇で畳み掛ける。親と子の相入れなさが裁判という社会の枠組みの中で浮かび上がる。しかし、難ありな作品でもある。

明らかに子がとてつも
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キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)

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ゴジラ襲来に心躍る登場人物がいることにリアリティを感じながらも、人間ドラマが前2作と比べて格段に投げやりに。反面、文句なしの特撮技術にはひれ伏すしかない。

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.9

エリセ31年ぶりの長編作品と銘打って公開されただけもあり、映画産業の時間の経過による変遷をひしひしと感じる内容でもあった。

世代的にはビクトル・エリセはまったく掠りもしていないため、どのような作家性
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異人たち(2023年製作の映画)

3.6

各映画作家がパーソナルなイシューを表現できる容れ物として、とても優れた原作と言える。優れた物語はどんな作家性を持ってしても、抱え込めるということかもしれない。

他人との関わりから生まれる物足りなさを
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

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存在と寂しさを憂い、喪失からしか会得しえないものがあると説く。

『異人たち』と驚くほどに共通する演出もあれば、まったく違うアプローチをとることも。その差異は、原作を日本人的な感覚から紐解かれる解釈と
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

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美しいショットの応酬にくらくらする。一発で映画作家としての上手さが分かる。こんなにも欠点がない映画は本当に稀有だと思う。

エレファント・マン(1980年製作の映画)

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人間としてのイノセントと、存在自体を疑う恐ろしさが同居していて、色んな感情が交差する。

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

2.9

『オーメン』のウェルメイドな惨殺シーンで食らった身としては、いまひとつなショットに気迫を感じられなかった。

主演のネル・タイガー・フリーの演技は素晴らしかった。子を産み落とす前兆のシーンはコンテポラ
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ひろしま(1953年製作の映画)

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撮影は被爆からさほど年月が経っておらず、当事者としてもメンタルに相当な負荷がかかり、容易な撮影ではなかったはず。それでも記録映像として残さなければならないという強い使命感が、フィルムに焼き付いている。>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.7

ノーマルフォーマットにて。はじめに、IMAXカメラで撮影された作品ではあるが、1回目はノーマルフォーマットでの鑑賞をお勧めしたい。IMAX規格の映像だからすごいという映像表現ではなく、単純に映画作家と>>続きを読む

デストラップ/狼狩り(2020年製作の映画)

3.5

これは思わぬ拾い物。タイトルやポスタービジュアル、スター俳優の不在、耳馴染みのない配給会社の心配要素を吹き飛ばすほどの快作。

社会的なイシューの匂いを微塵も感じさせない割り切りの良さ、畳み掛ける作劇
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オーメン(1976年製作の映画)

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あまりにも端正な作りに驚いた。人物の死亡シーンが声が出るほどかっこいい。猿や犬などの動物が何かに反応を示し襲いかかってくる演出は、目には見えない力を説得力を持って感じることができる。

アインシュタインと原爆(2024年製作の映画)

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科学の大天才が1人の人間としてのあるべき姿と、現実の自分に苦悩する姿が痛々しい。