蛇らいさんの映画レビュー・感想・評価

蛇らい

蛇らい

逃げた女(2019年製作の映画)

3.3

余白を観客が埋めて、始めて見えてくる主題の鮮明さに頷かされた。

監視カメラ、インターホン、映画と、少し離れた場所から自分を俯瞰で見てみるという試みは、勇気を要する行為だ。人の意見を聞いてみるというこ
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ローマの休日(1953年製作の映画)

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劇中に登場する『Giolitti』のジェラートを食したのをきっけかけに。おすすめはダークチョコレート。

アン王女が一生忘れることのできない思い出だと語ったのが、公の一枚フィルターを挟んだシチュエーシ
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.5

前作から3年の月日を経て公開された本作。作品の推進力でもあった役所広司扮する大上が退場し、尻窄みが懸念されていたが、見事に前作と肩を並べる程の熱量が息を巻いていた。演者とスタッフ間の信頼関係と意気込み>>続きを読む

仁義なき戦い(1973年製作の映画)

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まさに拳銃という字の如し、拳で殴るかの様な銃捌きにすらアクション映画の歴史を感じる。ヤクザを美化しないことでアウトローとしての悲哀が湧き上がるという点では、『俺たちに明日はない』にも通底している。

レディ・イン・ザ・ウォーター(2006年製作の映画)

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遠近感を自在操るカメラワークや、水面、洗濯機、窓枠など、何かを越したショットもケレン味が溢れている。

ナーフが召喚される場所が、アパートの中央に位置するプールでなければいけなかった理由を語らないのが
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

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囚人たちの演技が凄すぎてマイケル・B・ジョーダンが食われた印象。しかし、丁寧に、実直に描かれる絶望感が身につまされる。演出面に関しては異論はないが、脚本のシークエンスとシークエンスが積み重なることによ>>続きを読む

Untold: パレスの騒乱(2021年製作の映画)

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冷静で聡明な検証がされない叩きと、有色人種であることが論点を歪ませられるロクでもなさは現代に通づる。

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

2.8

前作『ドント・ブリーズ』は、これまでのホラー表現からのアップデートが際立たつプロット、劇場という密閉空間+無音空間と、映画との地続き感が強みであった。その反面、この物語のどこに重心を置き、観客をどこに>>続きを読む

凪待ち(2019年製作の映画)

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主人公には過剰なまでの救いの手が差し伸べられ、ストーレートに受け取れば生温い脚本に見える。しかし、放って置けば死ぬであろう運命(楽な道)から掬い上げることの厳しさと優しさ、1からではなくマイナスから這>>続きを読む

女は男の未来だ(2004年製作の映画)

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過去が今に何の作用をもたらして、何が湧き上がるのかと言えば、後悔などの綺麗事ではなく、単純に欲情だよねという開き直りの正当化が虚しい。当時、悪気に類別されなかった自己批判の不足。現代では普通に悪気に類>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.6

楽しさの持続性と、レイヤーの深さを見事に同期させ、仮想世界でしか語れないストーリーに帰結していた。仮想空間と現実世界の識別と融合がしっかりとなされ、視覚的な楽しさ以外にも気配りがされてある。音楽に関し>>続きを読む

ジェミニマン(2019年製作の映画)

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U-NEXTのフルHD、24fpsの通常の映画フォーマット版で。公開当時、ハイフレームレートで話題になったが、YouTubeにアップされているワンシークエンスの60fps版を見る限り、映画はテクノロジ>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.9

劇中のセリフ、音楽、演出、それぞれのタイミングと取捨選択をひとつとして間違えないパーフェクトさに感服した。センスとユーモア、オリジナリティと映画史へのリスペクトが端々から溢れ出る。

悪質な右派から過
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レット・ゼム・オール・トーク(2020年製作の映画)

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映画作家としての自信から起因するゆったりとしたカッティングが、クルーズ船でバカンスをしているような錯覚に陥る。船内で話しているような抑えたトーンの会話も心地よい。トーマス・ニューマンの優雅な音楽も効果>>続きを読む

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

2.8

ワイスピにおける、近年の通俗的なスタンスの基盤を作り上げたジャスティン・リンが帰還した一作。車と人の操り方と豊富なギミック、見る度に驚かされる斬新なアイデアの数々は、彼の真骨頂とも言える。

しかし弱
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トロメオ&ジュリエット(1996年製作の映画)

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他のトロマ映画を観たことはないが、悪趣味ではありながら露悪的ではないのは、どこかカウンターカルチャーとしての役回りを感じるからではないか。ジェームズ・ガンの映画精神はデビュー作にあり。

インターンシップ(2013年製作の映画)

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ローコンテクストな映画の脈絡のない引用も楽しいし、Googleをおちょくってやろうというおじさん2人も楽しい。セリフの多さと脚本のメリハリのなさは欠点。

ライトハウス(2019年製作の映画)

3.6

ホラージャンルからロバート・エガースという天才がまた1人台頭してきた。前作、『ウィッチ』で鮮烈な心象を植え付け、映画史の新たな1ページを開いた。本作も引き続き舞台はニューイングランド。アメリカで最も歴>>続きを読む

ウィッチ(2015年製作の映画)

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情緒を不安定にさせる奇妙な劇伴が素晴らしい。そこにある事実と向き合わざるをえない恐怖に対する誠実さはジャンルを超える。

ロスト・バケーション(2016年製作の映画)

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何度目かの。途中からサメ映画としてどうでもよくなるが、サバイヴ映画としては見応えあり。

パプリカ(2006年製作の映画)

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何度目かの。道理が通っていること、道理が通ってる様に見えることって大差があるなと。仮想空間と現実世界を、両極に揺さぶった先で出会わせるみたいな発想が凄い。

<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事(2019年製作の映画)

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彼女、彼ならきっとこんな風に〇〇するだろうと、こんなにもキャラクターを愛し、寄り添うアニメ映画監督を他に知らない。

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

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タイムループという設定がアイロニーを生む。あえてオーバーな警察の様相は、直面した本人にしか分からぬ恐怖の具現化だと感じる。

これからの人生(2020年製作の映画)

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主題とホロコースト面との接続がいまいち噛み合わない。

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.1

生活や営み、夢と挫折が街の中に佇む。ささやかな暮らしと、それを真っ当する人々の機微を歌とダンスで爆発させる。本年度屈指の大傑作だ。

序盤、主人公はビーチで子どもたちに、自伝的な物語を話す。物語は音楽
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

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12分という短い時間の中でカタルシスを生まなくてはならない。そうなったときに、影という第二のストーリーテラーを配置することで補完している。

直接的過ぎるメッセージ性にアレルギー反応を起こす人もいるか
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ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜(2020年製作の映画)

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序盤のウォームな2人のやりとりが非常に愛らしかったので、後半のギクシャクパートが残念に感じた。

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

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同調圧力と連帯から生まれる安心、怖れが分断を引き起こすという点をしつこく、しつこく描く。でもそれが大事だ。

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.0

主にキャラクターデザインと美術監督が過去作より一新。特に『フェイフェイと月の冒険』、『アナと雪の女王』2部作のキャラクターデザイン、ジン・キムが同じくキャラクターデザインでクレジットされ、注目されてい>>続きを読む

映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!(2019年製作の映画)

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この一本の映画としてのまとまりの無さは何なのか。やはりアカデミー賞の長編アニメーション賞を選出するにあたり、アニメに造詣の深い会員が少な過ぎる。

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.5

既出のMCUヒーローの中では断トツで好きなキャラクター。彼女があの時ヴォーミアで決断した理由が描かれるであろうと期待を膨らませた。さらに、彼女が何故、アベンジャーズを家族だと慕い、こだわりを見せるのか>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

2.6

この手のジャンルムービーにおいて、新境地と言える要素が感じられない。同一のジャンルで本作より素晴らしい映画があるのでそちらを観た方が良いというのが正直なところ。『クルエラ』同様、近代音楽の畳み掛けがき>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

2.5

本作のタイトルバックが出る前に、これまでのモンスターバース作品の怪獣決戦の記録をトーナメント表形式で表される。シリーズにおけるなんらかの決着をつけるという意思を感じた。

序盤からコングは捕らえられ、
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Arc アーク(2021年製作の映画)

3.5

序盤のリナがコンテンポラリーダンスをするシーンから、足で弧を描くような振りを見て本気だなと確信する。

ボディーワークス技術のルックの再現性は、オリジナリティとリアリティが共存し、SFとしての説得力を
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