ぴんじょん

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングルのぴんじょんのレビュー・感想・評価

4.0
あの時代の男子、女子って…。
昔、オールズバーグの名作絵本を原作にした映画がありました。

あちらは、ボードゲームのイベントが現実に起こってしまうというお話でしたが、こちらはゲームの中に入り込んでしまうという『トロン』以来のありきたりの内容。
したがって、タイトルは同じでも、前作の続編でも何でもありません。

ネット・ゲームやロールプレインゲームそのままに、キャラクターまでゲーム仕様になってしまうというところが今日的。
オタク少年が筋肉ムキムキの冒険家に、ネクラ女子がナイスバディのお姉ちゃんに、そしてチョイエロ女子高生が中年のおっさんキャラクターになっちゃうという現実とのギャップは、かなり面白んですが…。
これって『銀魂』にもあったような…。

ゲーム世界の設定がいささかずさんなこと、伏線になるべき冒頭部がとってつけたかのようで、スマートさに欠けるというきらいはあるのですが、それなりに楽しめます。

この作品の成功の理由は、ゲームの世界で冒険という設定よりも、主人公たちが高校生だという設定にあったんじゃないかと思いました。
あの時代の男子、女子だからこそ、キャラクターが変わってしまうという設定がものすごく納得できるのです。

そう、あの時代って、自分が何なのかがわからず、そして、何にでもなれるんじゃないかという可能性への期待と、自分なんてダメなんだという疎外感にさいなまれ、できることなれ違う自分になりたいと考えてばかりいる。
そんなティーンエイジの気持ちが設定にぴったり合っていたんじゃないでしょうか。

それからもう一つ。
あの時代って頭の中は異性のことばかり、(同性のことを考えているのもいるかもしれないけど…)とにかく相手にどう見られているのかばかりが気になっちゃったし、エッチなことばかり想像しちゃってた、そんな高校生の生態もこの設定にぴったりだったのです。
体は大人でも頭の中は高校生そのもの。

アドベンチャーよりもそちらが面白かったのです。

2020/3/14 7:08
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