何もかもが究極的

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングルの何もかもが究極的のレビュー・感想・評価

3.4
アメリカは若者が死に瀕して成長する事を良しとする文化がある。
それは過去の戦争に勝ち、若者が文字通り「必死」になって頑張る事は悪いことではないと思っているからだ。何故なら戦争でいつも死ぬのは、若者であり、そのおかげでアメリカという国が現在の地位にのし上がる事が出来た為に他ならない。
それを否定してしまうと、国の成り立ち、これまでの経緯を否定して事になってしまうからだ。
それが文化として浸透しているので、こういう未熟なティーン達がポジティブに死と向きあう映画が作ることができるのだろう。
文化とはとても面白いもので、無自覚に普段から自分の常識としているものが、作り手にこういう映画を作らせ、観客にこういう映画を嫌悪感なく見せる土壌を作ってしまう。

逆に日本映画では、若者が「必死」になる映画は、ネガティヴな雰囲気が大なり小なりついて回る。それは戦争で若者を犠牲にしたのに、戦争に負けたという無駄死させたという戦争に対する嫌悪感があるからだろう。

プロパガンダといった意図的な刷り込み映画以前に、文化的な背景から戦争を肯定する映画が普通に登場してしまうアメリカの勝ち組気分は、正直羨ましいものがある。それがあの国の誇りなのだろう。