滑頭

マグニフィセント・セブンの滑頭のレビュー・感想・評価

マグニフィセント・セブン(2016年製作の映画)
3.9
デンゼル・ワシントンがすごい志村喬。そしてロバート・マッコール。
イーサン・ホークに泣いた。
クリプラはいつも通りやな。
ヘイリー・ベネット超美しい。
イ・ビョンホンカッコいい。
ドノフリオ良い。
小賢しくて卑怯な小物悪役を演じさせたら今、ピーター・サースガードの右に出る者はいない。

「寄せ集めギャングが弱き者を救う」系映画の源流は『七人の侍』なのかなと思うけど、本作はジャスティン・リン監督の『ワイルド・スピード』シリーズや『ローグ・ワン』などに代表される、近年流行の「人種寄せ集めギャングモノ」であり、その点が、現代的なアップデートということだろう。
黒人がリーダーで、アジア系、メキシコ人、インディアンもメンバーにいる。劇中で明言はされてなかったものの、イーサン・ホークとイ・ビョンホンはゲイカップルのような関係性に見えた。

物凄い期待してた分、それほどでもなかったな…感は強い。
まず、メンバーがすんなり集まり過ぎじゃないか。メンバー集めにもっとドラマや必然性が欲しかった。
次に、アクション。アクションの組み立てがイマイチ。ゴア・ヴァービンスキーの『ローン・レンジャー』はアクションの気持ち良さに感動した。もっとこの7人のカッコよさが引き立つようなアクションに、且つもっと位置関係とかが分かりやすい見せ方に、して欲しかった。
全体的に、カメラ。「これは!」というカッコいい、バチッと決まったショットが少なかった。割と凡庸な映像になってしまっていたのが残念。土埃とアルコールと煙草の匂いがするような映像が観たかった。
そして、音楽。ジェームズ・ホーナーの遺作だからあまり悪く言いたくないけど、もうちょい西部劇っぽい音楽が多く流れて欲しかった。元の『荒野の七人』を観てない分際で何とも言えないけども、もっとバイオリンとかハーモニカとか使った、やかましい感じの。

とは言え、イーサン・ホークのあの見せ場には泣いたし、エンドクレジットのカッコよさにも泣いたし、良かったですよ。

2017/02/01 @新宿ピカデリー
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