百合

ベイビー・ドライバーの百合のレビュー・感想・評価

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)
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2時間に渡るMV

エドガーライトに対しては『ワールズエンド』でちょっと身構えが必要…と思っていたが。今回も相変わらずクソ真面目。
音楽がもっとわかればもっと楽しいのだろうなぁ…と思う。こういう時自分の無教養さが呪われますね、この曲ここで使うんだ!的な感動ができない。
しかしよく撮ったなぁ〜というのが初っぱなの感想でした。完全なる音楽と動作とアクションの同期。もはや偏執的。静脈に直接音楽ブチ込まれてる感じ。最高でした。何回も見たくなる。
“償うべきもの”が彼の主題だと思っていて、『ワールズエンド』でもそうだったのですが、エドガーライトは絶対に「すべてから逃げ切ったぜ!ヤッホー!」みたいなことを許さない。今回も主人公は支払うべき代償を支払うところまで描かれる。音と色彩のない刑務所でのつまらなさそうなベイビーの姿まで冷徹にとらえるカメラは、そんなエドガーライトの姿勢を表明しているようでした。「ベイビー」ではいられないわけです。
しかし脚本としてはどうなのか…?という…エドガーライトの映画いつもそこが引っかかるんだよなぁ。なんかこういつも冴えないよね。“純粋な悪”をやるところのバッツ、“純粋な善”をやるところのデボラ。自閉的なベイビー。音楽を聴くことで何者にもなれるという感覚がベイビーにはあるわけです。
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