黒凡人RX

バービーの黒凡人RXのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.2
とりあえずケン!最高!!
※I am Kenough(ケン、もうええんやで)には笑ったし、救われた。

下記、本編について。

本映画で描かれている理不尽さ(民主主義とは?)に関してはこれまで(今もか)女性が感じてきた男性社会での息苦しさや生きづらさを揶揄した皮肉だと感じました。
あえてそれをやることで「どうなの、それ?」って感じさせてるんだと思います。※実際私もそう思いました。
※というか今の政権はそれを地で行っているのが1番ホラー‥ですよね。。

ただ、後半の選挙のシークエンスはそう思わせることが重要なので、そういうモヤモヤを女性達は感じながら今も尚生活しているんだと。
※ストレートの女友達と話していると、日本ですら一般男性のいわゆる"普通に働いて、普通に出世していくこと"が女性には難しく、生きづらいんだと‥

また今作は直接的にLGBTQに触れるシーンがない?と仰っていた方がいらっしゃいましたが(そんなこともないと思うけど‥)、劇中でもセリフが出ていた「ポリコレ的にアウト?」のセリフが物語っている通り、もはや"ポリコレ警察"をコレクトする立ち位置なのではないでしょうか。
※既に前提としての物語、という意味です。
ちなみにミッジ(妊婦バービー)は「プロミシング・ヤングウーマン」のエメラルド・フェネルです。繋げていく意思を感じます。

個人的にはLGBTQやイシューについてふんだんに盛り込まれた昨今の目配せ映画に対するカウンターだと思いました。※この映画はトーンや、サントラ(アーティストの人選含む)、キャスティングで十二分に語られている。

バービーとケンが実存的な問いを持ってしまって右往左往する様は「桐島、部活やめるってよ」を思い起こしましたが、それはまた別のお話‥

最後に、
こういう映画に対するシネフィル的な語り(めんどくさい)がダメ!と映画でも言われていたのにまたやってしまっている自分に自戒をこめて‥

最高の映画でした!
黒凡人RX

黒凡人RX