かな

バービーのかなのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
5.0
グレタ・ガーウィグってやっぱり凄い。
女として現実世界を生きて、苦しいと思っていることや不自由だと考えていることがそのまま表現されていて…母親による啖呵きるような長台詞、あまりに身に覚えのある事ばかりで涙が出てしまった。
エマ・ワトソンも女性にとって1番悲しいことは男性に好かれるためにおバカなふりをしてしまうことだと語っていた。この作品でも、男性に近づくための手段としておバカなふりをする女性の姿が描かれている。その女性たちは少し前まで聡明だったのに、その手段を知ると「何も考えなくて済んで超楽チン!」と笑っている。私自身、おバカなふりをすることがどれだけ悔しいことか分かってるのに、「楽だから」かわいこぶってそんなそぶりをしてしまうことがある。楽をするために男性をたてることに甘んじている面があることは、女性側も反省しなければならない点だと思う。
なんというか、このあたりはマリリン・モンローを思い出す。世界に受け入れられるために、自身の知性を押し込めなければならず、それによって苦しんだ女性の代表だと思う。
この作品は女性に勇気を与えるだけじゃなく、反省まで促し、そして男性も含めた全ての人に向けて「あなたは誰かに依存することなく、個として自信を持っていいんだ」と励ましてくれる。
女性にも男性にも寄り添って、反省と元気をくれる作品だと思った。
ここまで真面目なことを書いたけど、名作映画のパロディもいっぱいで、劇場内でも笑いが起こる、本当に楽しい映画だった!
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