バービーまで映画のお題にするとは
アメリカ映画業界のネタ不足は深刻だなと
そんなどこか冷めた感情でした…
いざ公開されて
アメリカで大ヒットって聞いたって、んなわけ
どうせ、良くてLEGOムービーな感じでしょ？
はい、バカにしてました
正直なめてました
鑑賞後
…マジか、めちゃくちゃ面白い！！
おそらく企画先行の作品で
つまらなくなる可能性だって高かったはず…
グレタ・ガーウィグ監督お見事
(レディ・バード大好き)
この映画の構造から思うわけです
多くのエンタメ作品における男女の立ち位置がすごく偏っているのだと
どれだけ平等だと言おうが、全然平等には描かれてはいなかったのだと
本作におけるケン（男性）の記号的な配置
これが多くのエンタメ作品における女性の立ち位置
バービー人形もそうなのだが
女の子のおもちゃ遊びと
男の子のおもちゃ遊びの違いを改めて考えてみる
男の子はヒーローやロボット、戦隊モノや”空想”に憧れてを投影する
女の子は人形などで色々な職業に触れ”現実”に憧れて投影する
これらの違いは遺伝子レベルの本能のようなものだと思っていた
可能性に際限が無いと思っている男性は”空想”を広げ
可能性が限られていると感じている女性は”現実”を拡大させる
もしかしたら本能的なものではなく、社会性がそうさせているのかもしれない
今まで深く考えていなかったことにスポットが当たったような感覚
ポリコレとかジェンダーとか…大切なのは分かる
それでもエンタメにおいてはそれらが面白いかどうかが重要だと思っている
このバービーは基本コメディを通してだが
今まで観たどの作品よりも
平等性についての考えを広げる作品であった
抜群に面白いのにただ面白いだけでなくしっかり踏み込んでもいる
ほんと凄い作品です
女性から見た男性あるあるな感じとか
まあ痛々しい、恥ずかしい、バカにされてる（もう最高です）
なんかこの作品の男性表現にイライラしてる男性客もいるようなのですが…
いやいや、これは素直に笑っとけよ
どれだけ家父長脳なんだよ…
これらはバービーというお題だからこそ出来た展開
この流れを見つけれたグレタ・ガーウィグをはじめ関係者にはただひたすらの賞賛です
バービーをお題にこれほどまでの作品が作られるなんて誰が想像できたんだ…
ちゃんとバービー映画としても面白く
廃盤キャラとかの登場も知らないのに楽しい
バービーガチ勢はさぞマニアックな目線で楽しめてることだろうと
そんな一般層とファン層の両方を満たしてくれるお見事な作品
食指が動かない気持ちもよく分かる
でも絶対に観てほしい
〜最後に〜
日本公開前にネットミームでネガティブイメージが先行してしまった本作
それで嫌厭しているのであればもったいない
原爆を面白おかしくネタにしちゃったことや公式がそれをフォローしちゃったことが避難の的になっていますが…
もちろんそこはかなりの問題点だし完全にアウトなのですが
ここからはあくまで私の主観
冷静にエンタメ的な側面で見た時に
センスのカケラを全く感じない”バーベンハイマー”って造語…なんで盛り上がってるの？
別に上手くも面白くもないこの造語がたまたまバズって
それで調子にのった”芯からおもんない奴”らが勝手に盛り上がって全力でスベってるように思ってるのは私だけ？
非難したい気持ちも分かる…でもそれでヘタに声を荒げると巻き込まれて一緒にスベるだけ
だから観てポジティブな感想を広めよう
あっ、公式はちゃんと真面目に問題視しないとダメだけどね
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劇場名 ：109シネマズ川崎
上映日 ：2023/08/19(土)
上映時間：13:30 ～ 15:35
上映劇場：シアター5
上映作品：バービー[字幕]
座席 ：C -5
