ぺんじん

バービーのぺんじんのレビュー・感想・評価

バービー(2023年製作の映画)
4.3
深いようで全然深くない!フェミニズムの衣装を身に纏った『バービー』は全方位をバカにしたアメリカ西海岸系おバカコメディだ!
人間世界に行って理想とギャップに打ちのめされる所なんかは『真夜中のカーボーイ』みたいなアメリカン・ニューシネマっぽくて良かったんだけど、なんか色々なテーマを入れ過ぎてしまってストーリーの軸がボンヤリしてしまった所は残念。これは家族問題を描かせたら抜群だけど、全ての問題が家族問題の延長線になってしまうノア・バームバック脚本の影響がデカいかも。ノア・バームバックの映画って家族はいるけど、他者がいない感じがする。
ケンの「家父長制」に染まってしまう所なんかは結構ウケるんだけど、話の軸としてはバービーが「女性としての自分を受け入れる」所がメインだと思う。
だからバービーの産みの親も出てくるし、最後は産婦人科のシーンで終わる。人形の理想的な体から女性としての身体を受け入れるという、フィジカルで保守的な着地。ただ全員が全員「ありのままの自分で良いよね」的な西海岸ポジティブシンキング的な終わり方はいくらなんでも底が浅過ぎる!マテル社の役員みんな男性で結局良いんかい!まぁウィル・フェレルも出てるし、コメディ的にはとっ散らかってて面白かったけどね!
良くも悪くもSNL的なおバカコメディ映画!結構ハイコンテクストだから『2001年宇宙の旅』は観ようね!
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