面白かった。
フェミニズム映画として、典型的に誇張されている表現も感じるけれども、結局のところ、ひとりひとりが自らのアイデンティティを引き受けていかなければならないのはたしかだろう。そしてそれには、身体を引き受けることが伴う。
では、(「劣化」とは異なる仕方で)痛み、老いる身体とは……という問題は、おそらく、この映画を観るひとりひとりが知っていることなのだろう。誰もが美しく歳を重ねることができるわけではないが、それでも、それだからこそ、と。
ただ、そうした物語の出発点にあるのは、死への思考であり、その有限性を起点に世界の意味づけがなされるというのは、俗流と言えるほどに典型的な実存主義ではないか。やはりそれは分かるのだが、そこに終始していられないように思えるわけだが。。