ポップな題材なんだけど、想像以上に難しい話だった。
だって扱う問題って一つの結論なんか出せないし、映画もそのように描かれてた。
だから「私はこう思うかな」というのを考えながら観るんだけど、
いろいろな視点が混じり合って、そういう見方もあるのか…みたいな感じに。
あらゆる意見が飛び交うディスカッションの渦中にいるようだった。
普通なバービーは、女性を生きにくくさせて、
女性の社会進出を意識したいろんな職業のバービーは矛盾を生んで、
完璧から脱却した鬱なバービーは、主人公バービーの足にセルライトを作った。
どれがいいなんて、答えが出せない。
そして男性社会との対立。
バービーが主役だからケンダムを否定しようとするけど、バービーランドもケンダムも立場が変わっただけだし、バービーランドに戻すことが正義なのかも分からない感じ。
途中から、性別を明かさない社会にしたほうが幸せなんじゃないかとさえ思えてきた。
マテル社が男性重役なのは変わらないし、社長の性格が変わるわけでもない。
そのへんをファンタジーにせず、リアルにしたのがすごいギャップで不思議な気分だった。
強火のフェミや、女性軽視の男性、理解ある風のおじさんたち、色んな人がそれぞれの考えを持って生きているけど
人を変えようとしたってダメってことかな。自分の生きたいように生きるしかない。
ケンをライアン・ゴズリングが演じたのは良かったなと思った。
