ツクヨミ

ヒッチコック/トリュフォーのツクヨミのレビュー・感想・評価

3.5
"映画作家"ヒッチコックを巡る対談と恩恵。
60年代にトリュフォーがヒッチコックと対談して刊行した"ヒッチコックトリュフォー映画術"を巡るドキュメンタリーということで気になって見てみた。
まず本作は映画作家ヒッチコックについて辿っていくドキュメンタリーになっており、"ヒッチコックトリュフォー映画術"対談時の録音声と現代映画作家たちのインタビュー映像などを交えてヒッチコックを語り尽くすというものだ。誕生から映画に携わるようになるまでの伝記的要素も含むが、ヒッチコックが自作の中でどのように作品を作っていったかやどのようなテクニックを駆使したかも語られるわりと製作者向きな仕上がりに目から鱗。
いやはやスコセッシ.フィンチャー.ウェスアンダーソン.果ては黒沢清がヒッチコックについて語りまくるだけで面白い、現代の映画作家たちがどれほどヒッチコックの影響を受けているかありありとわかる仕様。そして各作品についての細やかな小ネタが掲示されるマニアックな語り草によりめちゃくちゃヒッチコック映画が見たくなる。個人的に映画製作のドキュメンタリーに求めるものは見た後でいかにその題材の作品を見たくなるかと言うこと、その観点から言えばめちゃくちゃ有意義なドキュメンタリーなんじゃなかろうか。
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