戦場太郎

アイリッシュマンの戦場太郎のレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
4.0
あっ、これGTAとかMAFIAで見た奴だ! になる映画。
そりゃ、その辺がリスペクトしてやまないマーティン・スコセッシが作ったのだから当然である。
しかもほぼ実話ベースという、世にもびっくりなお話。事実は小説よりも奇なり。

テンポの良い映像と小気味よい会話劇が続き、映像にも工夫が凝らされる。
三時間半という大ボリュームを感じさせない映像の技術はさすがベテラン監督。
そこらの二時間映画より間延びせず進んでいく様は見ていて楽しさしかない。
シーンのそこかしこにちょっとしたユーモアが添えてあり、笑える場面もしばしばだ。

一方、根底に流れるテキストは、マフィアものだけあって重たい。
仁義や愛、友情が引き裂かれていくシーンを見せつけられるのは心が痛む。
ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの二大巨頭共演も手伝い、
演技力だけで進んでいくシーンには目を見張るほかないだろう。

総じて、非常に出来の良いマフィア映画という話になる。
これだけのものが作れるからこそ、堂々とマーベル映画に文句を言えるのかもしれない。
戦場太郎

戦場太郎