“老害かわいい映画”
ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル…この並びを見ても最近の若い人たちは(自分もまぁ若いけど)ときめかないとは思うが、私にとっては若者がアベンジャーズを見るが如くときめている。
冒頭の老後施設の中をぐるぐる映し出すカメラワークからあ~スコセッシの映画が始まるゾ~というワクワク感で胸いっぱいになる。
たしかに「グッドフェローズ」『カジノ』のような演出のキレやスピード感は本作にはないが、私からすればそのようなものは端っから求めてもいなかった。製作陣もキャスト陣ももういい歳だし、これくらいゆったりしたトーンの“枯れた味わい”も良いではないか(※特に前半部は意図的にユルく演出している部分が多い)。
たしかに前半部はもう少し削ってもよいとは思ったが、後半の素晴らしい展開を前にはどうでもよくなる。まるで「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を観ているが如く、人生のままならさと悲哀を感じさせる終盤のデニーロは圧巻の一言に尽きる💯
また扉を使った演出の反復(パチーノ失踪からラストへ!)にとにかく唸る。 半開きのドア…あぁ(涙腺がぁ…😢)
という感じで、たしかに3時間半あるとはいえもうちょっと作品全体に絞まりがあっても良かった気はする。しかし「ゴッドファーザー」、「グッドフェローズ」「スカーフェイス」といった名作ギャング映画群の要素を詰め込んだ総決算的1作といえよう。
P.S.
中盤のおじさんたちの「15分くらいの遅刻は許せ!」「いや、許せるのは10分までだ!」のくだらない言い争いとか微笑ましすぎて一生見ていられる最高💯感想おわり(笑)