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アイリッシュマンのshiny8のレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
3.9
スティーブザイリアンの小説「I heard you paint house(君は家を赤い血で染める人殺しだろ?)」を基にマーティースコセッシ監督が映画化した作品。

世界恐慌後のアメリカで労働者を熱狂の渦に包み込みながらも、遂には謎の失踪で姿を消した全米トラック組合長ジミーホッファ。そして彼と同じ時代を生きたマフィアのボスラッセル・殺し屋シーランの半生を描いた映画。原作のタイトルは、ジミーがシーランと初めて電話で話をした時にかけた一言。是非、一度鑑賞する前に、「ジミーホッファ」について少し調べてから見るのをオススメする。労働者の立場を上げることが当時のアメリカにとってどれだけ価値があった事なのか。労働組合も資本家達もその争いの中でいかにしてマフィアと関わり合っていたのか。この様な前提知識が少しあるだけでストーリーの理解が捗ると思う。


鑑賞後の印象としては、3時間という上映時間の長さを億劫に感じなかなか見なかったことを後悔。ストーリーのテンポが良いことに加え、マフィア映画であるが故に手に汗握る様な心地よい緊張感もあり、一度見始めたらきっと止まる事なく最後まで鑑賞した人がほとんどだと思う。
また、この映画は相当額をかけたCG加工によって主演のデニーロやアルパチーノが時代を行き来するのを可能にしている作品。あまりにも違和感がなさすぎて、どっちが加工でどっちが現在の彼らか分からなくなるほど。

かけた金額の割にアカデミー賞の作品賞を取れなかった事で何やら駄作扱いされ、NETFLIXではTOP10作品にも入っていないけど、見てない人もったいないなぁ。

*ホームアローンシリーズでおなじみのジョーペシの年の取り方を見て、あの作品を初めて見てからこんなにも時が経っているんだと衝撃。全く関係ないけど。
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