ふうま

アイリッシュマンのふうまのレビュー・感想・評価

アイリッシュマン(2019年製作の映画)
3.9
まあ長い笑。途中休憩とか入れたから4、5時間かかったかも。長いんだけど無駄に長い感じはなかったと思う。主人公フランクの半生をほんとにじっくりと描いている。
物語はジミーフォッファ失踪事件を軸に、その事件が起こるまでをフランクの回想として描いてく。冒頭のシーンから、現代と過去を行き来するんだけど、それがある時追いついて運命の日となる。第二次大戦後からその事件までを描いていくんだけど、その間にある歴史的な背景をさらっていくのとか面白かった反面、なんとなくしか理解できないのが悔しかった。グッドフェローズとかゴッドファーザーでも思ったんだけど、登場人物とかマフィアの構成員の名前、敵の名前、顔が多くて整理しきれない。マフィア映画はそこが少し苦手なんだよな。すぐにこいつ誰やったっけ?とか今殺されたの誰やっけ?とかそのコードネーム誰やっけ?が多い。あと、やっぱり隠語とか殺しの指令とかはあんまりはっきりとは言わず、ぼやかして言うのはリアルなんだけどやっぱり難しい。今何をしようとしてるのかとかの理解が遅れる。
ただ、名優の共演はマジで豪華すぎ。デニーロが大好きなんだけど、そこにアルパチーノ、ジョーペシが入ってくるのはもう神。ジョーペシの穏やかな迫力や圧力はやばいし、アルパチーノの頑固さや必死感もいい、何よりデニーロの板挟み感やラストの孤独感も本当にいい。娘のペギーのセリフが少ないのに訴えかけてくる感じもいい。ジミーとトニープロの言い合い、ジミーが怒ってるシーンとかはもはや子供の喧嘩みたいで最高に笑えて、楽しい。
マフィアの家族を守るために、仲間のために仕事を徹底して遂行していくが、最後には孤独や寂しさが残ってしまう、というのがフランクの半生をじっくりと追った分強く感じられた。長いし、苦手なマフィア映画なんだけど、見終えて全体を考え直すと割とスッキリとしててかつ重量感というかボリューミーで凄いという感想。ただ、苦手なんだよな笑。
グッドフェローズ見返したくなりました。
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