K

ノクターナル・アニマルズのKのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
3.6
ぽよんぽよんのオープニング。人体のお肉の不思議。アートギャラリー。一体どんな映画が始まるのかと引き込まれる。ノクターナル・アニマルズ=夜の獣たち。映画と映画内小説の物語が同時進行。ふと思い出す江戸川乱歩の『人間椅子』。小説内のキャラクターを現実の人間に演じさせる手法により、複雑かつ深みが増す。悪役アーロンテイラージョンソンが珍しい。ファッションデザイナーでもある監督。独特な色使いはさすが。白い肌と赤いソファー。牛と矢。ベビーモニター。始終不穏な空気。レビューや考察を読むと、さまざまなパターンの解釈があり興味深い。幻覚説。正解を探すというよりは、自分なりの答えを組み立てていいタイプなのだと思う。その余地がある作品。個人的には、はっきりとした何かを掴めなかった。先の読めない展開に最後まで興味は尽きない。不器用ながらも一生懸命生きてきたであろうスーザンには幸せになってほしい。もともと来る気がないのだとしたら、エドワードそういうとこだぞと言いたい。20年という月日。余韻系。
K

K