デザイナー、トム・フォード。値段はバカに高いがその圧倒的に洗練されたデザインで多くの人を魅了している。彼が映画監督でもあると知ったのは、この映画が話題になり始めた去年の暮れ。ようやく公開、満を持して鑑賞。
美しく、タフでセクシー、そしてアーティスティック。エイミー・アダムスはトムのデザインに通ずるような役どころ。バリキャリだが、昔捨てた恋人から贈られた自作の小説をきっかけに、封印したはずの繊細な部分が染み出してくる。これは彼なりの復讐か？あるいは、、。
トムも今年で56歳。過去には俳優を志したこともあったそうだが、デザイナーとして比類なき成功を手にし、2009年から発表し始めた映画も高く評価されている。振り返る時間すら無さそうな、少なめに言って3人分くらいの濃い人生を歩んでいる。ここに至り、故郷テキサスを舞台に描いたのは、暴力的で繊細、だが彼の人生における正しさとは何なのか、基準をきちんと思い出そうするかのような物語だった。
