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ノクターナル・アニマルズのshortcutのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
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本質を問う

ほとんどの鑑賞者がレビューしていることだが、豪華で異様なオープニングから目が離せない。

20年前に別れた夫から突然送られてきた小説、これが読み進められると同時に過去と今が交差する形で物語は進む。この小説が主人公の目線で映像化されていくのだが、その悍ましい内容に…その恐怖に引き込まれる。こんなに恐怖を感じたのは久しぶりだ。見せ方が上手い。いい意味で小説が現実かと思う錯覚に陥り、また、明らかになっていく過去に釘付けになる。

すっかり引き込まれ、物語に素直に入り混んでしまい、肝心なことを見逃しているのではないか?と感じた。たくさんの伏線があるとされる本作は、少し難解のようにも思うが、見る人に答えを委ねたような内容でもあり、なんとも言えず、不思議な作品だと思う。終始、観客を従える圧倒的な映像力で人間の内面を突き詰めていく…こんな作品には滅多に巡り会えない気がした。

人は変われないのか…追い求めるものは何なのか。幸せや愛とは何かを問うているのかもしれない。
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