おふとん

ノクターナル・アニマルズのおふとんのレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
4.0
20年前に別れた夫から送られてきた小説。それは愛なのか復讐なのか。
というキャッチコピーからして面白いこの作品。

超肥満の経産婦らしい女性たちが全裸で踊り出すという超衝撃的なオープニング。この時点で視聴者の大半がふるいにかけられるでしょう。
醜い、思わず目をそらしたくなる、しかし同時にどこか美しさも感じる異様な雰囲気のオープニング。
トム・フォードという監督はファッションデザイナーとしても有名らしく、彼の作品は絵画的というか映像表現や美術的表現によるところが大きいです。
天が二物を与えた、まさしく才能の塊です。

この作品は作家志望の夫と別れたのちに再婚し美術館のオーナーとして成功をおさめた主人公の現在と昔の回想、そして元夫から送られてきた小説の内容という3つの内容が交互に描かれます。
この元夫の小説の内容が、ある家族がドライブしていたら不良グループに難癖をつけられて妻と娘をレイプされて殺されるという救いのない胸糞悪い話なのですが、これがまた非常に寓話的で面白い。
特に印象的なのはレイプされて殺された妻と娘が裸で並んで捨てられているカットで、凄惨で悲惨なシーンのはずなのに、この妻と娘の死体が美しく、まるで芸術品のように描かれている。まさに監督の本領発揮といった描写でどういったメッセージがあるのかはわかりませんが、非常にかんがえさせられるシーンだと思います。

ラストはどこか物悲しく、色々解釈の余地があって面白いです。こういう作品は色んな方々の考察を読むのもまた楽しいんですよね。