木村優希

ノクターナル・アニマルズの木村優希のレビュー・感想・評価

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)
5.0
記念すべき200レビュー目。

観終わって、ため息が出た映画は久しぶりです。
映画館で観たかったけど観れずにDVDにて。ああ~~これは、這ってでも映画館で観ておけばよかったと後悔しました。

これだけ豪華なキャストで、凄いもの見せつけられた。
エイミー・アダムスはとても美しく、ジェイク・ギレンホールの朴訥とした芝居、マイケル・シャノンの妖しさを含んだ中に見える執念、アーロン・テイラー=ジョンソンの気違いさ、全部素晴らしかった。

スーザンに送られてきた、元夫エドワードからの小説『ノクターナル・アニマルズ(夜の獣たち)』。
現在・過去・小説の3つの世界を、スーザンが小説を読む度に切り替えながら進んでいく。
最初は事実なのか虚構なのかが分からなくなるような作り。でもスーザンが小説を読み進めるにしたがって段々彼女とエドワードとの過去も浮き彫りにされる。ーーー

冒頭から衝撃的。
何故彼は別れて20年経って小説を送ってきたのか。何か意味があるのか。
これは最後までじっくり浸ってラストでぐっさり刺されてほしいです。
ジェイク・ギレンホールの存在感すんごい。小説=エドワードなので、20年前に別れているのに、ある意味ではスーザンの側にずっといるような感じ。
それを考えると、これは復讐劇であり、贖罪であり、輪廻転生であるのではないかなあ。ここから生まれ変わって二人の人生が始まるような。

スーザンの視点とエドワードの視点、2つの視点を考えると面白いです。
過去の二人の目が、キラキラしていて本当に綺麗。宝石みたい。
凄い映画を観た。
木村優希

木村優希