トム・フォード監督作初鑑賞。度肝を抜かれるオープニングに何とも言えない居心地の悪さを感じながらも、一気にその世界観に引き込まれた。
現在のスーザンを描きつつ、過去にスーザンと元夫エドワードに起こったこと、エドワードが描いた小説の世界が見事に交錯する。エドワードはなぜこの小説をスーザンに送ったのか。作中で起こる出来事や物語の結末には様々な解釈があって、いかようにも捉えられるのがこの作品の魅力。叶わなかった人生と、実際に選んだ人生との葛藤について考えさせられる。
トニーとエドワードの二役を見事に演じ分けるジェイク・ギレンホールはやはり素晴らしい俳優だと再認識。トム・フォード初監督作の「シングルマン」も是非観てみたい。
