もやし

あの頃エッフェル塔の下でのもやしのレビュー・感想・評価

あの頃エッフェル塔の下で(2015年製作の映画)
5.0
何とも説明できない映画。
人の人生を見るのが好きな人はめっちゃ好きだと思う。
そういうのどうでもいいよって人が見たらたぶん酷評。

話としては、中年になった主人公が過去の自分の人生を振り返るというだけ。
恋愛映画だから恋愛だけを振り返るのかなと思ったら、生活全部振り返る感じ。
急にハードな過去が出てきたり、急にミステリーっぽくなったりほんとに不思議笑

そうしてまあヒロインが登場するわけだけど、彼女がまたすごい。
「私って綺麗?」とか言っちゃうタイプ笑
すごく難しい人だなあって思った。
でも最後まで見たら好感持つ人も多いと思う。
彼女はそうすることで自分でいられなかったのかもしれない。

主人公も、また変。
何というか、鋭くて、ねじくれてて、そしてどこか深い部分では自信がみなぎってる。いわゆるエリート系に見えたな。今外務省務めてるだけある。

でも恋愛は後半は本当に切ないな。

何というか、やはりフランス映画ということで、良い人、悪い人、みたいのが全然ない。皆不完全。
そのおかげでリアルな人生を見ているような気持ちになる。
でもこの映画は不完全度がかなり強いので、嫌な人は嫌かも。

色んなものを見せられて、完全に世界に入ってしまった。最後はズシンとしたものが来た。
過去にとてつもなく感情を揺さぶられた出来事って、何十年経っても消えないんだねやっぱり。
それが良いことなのかはわからないけど。
どんなに色々考えても、試みても、どうしようもないことはあるんだよね。
あまり救いのようなものはないように感じたな。何のために生きてるのか。
そういう過去を背負って足引きずって生きて、最後は灰になるんだ。
映画の内容関係ないですね笑 今鬱期です笑

エンディングしっとりしたの流してくれたら浸れたのに、何故か軽快なヒップホップみたいなのが流れてえーってなった笑
もやし

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