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ストーンウォールのKICCOのレビュー・感想・評価

ストーンウォール(2015年製作の映画)
4.0
事実が元の話。でも、ドキュメンタリーではない。詳しいことを知らないのでどこまでが事実かは分からないですが‥‥。
苦しみと哀愁から目を背けたくなるが彼らが真っ直ぐ向き合った時の力強さに心が震えた。初めて行動を起こす困難さはすべての物事に共通してる。
ストーンウォール反乱についてはこの映画をきっかけに初めて知った。オバマ大統領も演説の中でこの名を出すほど有名なものだったらしい。名も無き青年たちが戦ったこの事件はおそらく全員が主役だったはず。
この映画はストーンウォール反乱の中心人物だった1人の青年を主役に立てている。しかし、その主役が実際とは違う白人の青年だった。これは残念。ノンフィクションとしては大失態。なんでやねん!って感じ。でも、逆にそこがミソなのではないだろうか。
この映画はストーンウォール反乱という事実にインスパイアされたフィクションに近い物語ということなのだろう。
作品中に事実を盛り込みながら細かいところは事実のインパクトを強める効果を出す。監督はこの映画をきっかけにストーンウォール反乱を知ってもらいたかったのではないだろうか?これほど根深く、困難な問題への第一歩を踏み出した事件を一本の映画におさめることを躊躇ったのではないかと思う。自身が思い入れがある出来事だからこそ、映画の中だけで終わらせたくなかったのではないだろうか。観客自身の手で事実に触れてもらうための起爆剤とも言える作品なのだ。だから一番変えてはいけないところを変えた。これだけが事実じゃない、ということを分かってもらいたいから。
事実確認も兼ねてストーンウォール反乱について調べてみようと思う。きっかけとしてとてもいい映画だった。
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