kuzira

ストーンウォールのkuziraのレビュー・感想・評価

ストーンウォール(2015年製作の映画)
4.2
誇らしく感じていました。
観終わってなんで皆こういう映画観ないんだろうって。
この映画の為に約2時間くらいお時間頂けません?あなたのその人生の中のたった約2時間だけで良いです。観て欲しい。


人間が人間として当たり前に生きる事が難しい世界、今もまだまだあるんですよ。
生きてて幸せに感じる事って恋愛において当然感じたりする事あるじゃないですか。

それが異性だったら喜びを共有できて、同性だったら公にはできない世界なんですよね。今だに正直、実存してしまう概念に呆れたりします。
多分、僕が生きるこの人生の中だと全人類が隔てない世界を築き上げるのは難しいと思います。
ですが、この映画においてそれを先導してくれた人々が存在していた事実や事件というのがあったのはとても素晴らしい。何も歴史について知らなかった僕がこの約2時間で得られた情報が大きすぎたし感性が素直に喜んでます。


シネスコでの映像美が一貫してあったので本当に映画としての見方に拘ってるのが伝わる。繊細なテーマだからって恐る恐る描きすぎない、なんなら胸に訴えかけてくるような大胆さがあったしその奥にある温かさも感じれた。

そしてまたこの映画の素晴らしい所はダニーはきちんと好きになる人が男だったら誰でも良いって訳でない事が描かれている所かなと。

当然の事だけど、同性愛者にだってタイプはある。仲が良いからと言って好きなったりするような恋愛しない。"あなたはタイプじゃないんです"っていうしっかりとした恋愛においてのほろ苦さも描かれていて感動しました。
そしてジョーとの再会も納得がいくんですよね。「あなたの事が好きでした」ってダニーがはっきり。はっきり、言うんですよね。
自分とジョーが人間の性質と言う部分で根本的に違うって言うのは解ってたであろうけど、ちゃんと言葉にできる幸せが行動がとても魅力的でした。万歳。

家族観も丁寧に扱われてて、グッとくるし美化されすぎてない。妹との温かい関係性には満たされる癒し効果があった。


映画を作る良さって、こういう感覚を訴えかけれる事。伝えれる事、感じ取れる事だなって本当、改めて思えた良作でした。
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