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ハッピーエンドの選び方のFyohkoのネタバレレビュー・内容・結末

ハッピーエンドの選び方(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


『ハッピーエンドの選び方』

2015年公開のイスラエル映画


高級老人ホームで暮らす
ヨヘスケルとレバーナ夫妻は

末期癌で苦しむマックスと
その介護で憔悴していく妻から
安楽死させて欲しいと懇願される


ちょっとした発明が趣味の
ヨヘスケルは
自作の安楽装置を作成し

同じホームで暮らす
元獣医のダニエルと
元警察官のラフィと共に

マックスの安楽死計画を実行する

その後、噂を聞きつけた老人が
末期癌で苦しむ妻の希望を
叶えて欲しいと依頼されるが
外部からの依頼に困惑する


当初、安楽死に反対していた
レバーナの認知症が進むにつれ

それぞれのパートナーや家族
死に対する向き合い方に
変化が現れてくる


という話


安楽死問題は
この先生きていく上で

特に、先進国においては
避けては通れない
重要な課題だ

医療が発達したコトで
長く生きるコトが
可能になった代わりに

簡単に死ねなくなった
というコトだろう

本作では
程よくユーモアも交えながら
尊厳死について描かれている

死は、誰にでも平等に訪れる
人生で一度限りのイベントだが

その『死』は
一体誰のモノなのか

自分のモノだと思っていると
案外そうでも無いらしい

というコトが
過不足なく描かれているところが
非常に興味深い点だ

夫婦、親子、家族、兄弟、友人
それぞれの関係性と距離感

人生観と死生観、宗教観
国、地域、民族と
様々な価値観が存在する中で
答えは1つではないはずだ


近未来的には
健康管理の方法が進化して
健康で長生きできる日が
やってくる可能性も考えられるが

それはそれで
長く生きて何をして良いか分からず

ただ生きているという状況に
苦しみ続けるという
新たな問題も起こってくるだろう

残された生を考える意味でも
本作はとても良作だ




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