このレビューはネタバレを含みます
『ハッピーエンドの選び方』
.
2015年公開のイスラエル映画
.
.
高級老人ホームで暮らす
ヨヘスケルとレバーナ夫妻は
.
末期癌で苦しむマックスと
その介護で憔悴していく妻から
安楽死させて欲しいと懇願される
.
.
ちょっとした発明が趣味の
ヨヘスケルは
自作の安楽装置を作成し
.
同じホームで暮らす
元獣医のダニエルと
元警察官のラフィと共に
.
マックスの安楽死計画を実行する
.
その後、噂を聞きつけた老人が
末期癌で苦しむ妻の希望を
叶えて欲しいと依頼されるが
外部からの依頼に困惑する
.
.
当初、安楽死に反対していた
レバーナの認知症が進むにつれ
.
それぞれのパートナーや家族
死に対する向き合い方に
変化が現れてくる
.
.
という話
.
.
安楽死問題は
この先生きていく上で
.
特に、先進国においては
避けては通れない
重要な課題だ
.
医療が発達したコトで
長く生きるコトが
可能になった代わりに
.
簡単に死ねなくなった
というコトだろう
.
本作では
程よくユーモアも交えながら
尊厳死について描かれている
.
死は、誰にでも平等に訪れる
人生で一度限りのイベントだが
.
その『死』は
一体誰のモノなのか
.
自分のモノだと思っていると
案外そうでも無いらしい
.
というコトが
過不足なく描かれているところが
非常に興味深い点だ
.
夫婦、親子、家族、兄弟、友人
それぞれの関係性と距離感
.
人生観と死生観、宗教観
国、地域、民族と
様々な価値観が存在する中で
答えは1つではないはずだ
.
.
近未来的には
健康管理の方法が進化して
健康で長生きできる日が
やってくる可能性も考えられるが
.
それはそれで
長く生きて何をして良いか分からず
.
ただ生きているという状況に
苦しみ続けるという
新たな問題も起こってくるだろう
.
残された生を考える意味でも
本作はとても良作だ
.
.
.
.
#ハッピーエンドの選び方
#静かな映画しばり
#休日映画鑑賞
#歴史好き