宮崎駿の作品の中では比較的分かりやすいストーリーだった。どこか、『未来少年コナン』っぽさも感じた。
また、海賊が実は良い人だったという展開は『空飛ぶゆうれい船』にも似ている。
本作では、政府・軍(主にムスカ大佐)を悪としてはっきりと描ききっている点が宮崎駿監督らしくないと感じた。
エンターテイメントとしては勧善懲悪の方が分かりやすいが、後の宮崎駿作品ほど考えさせられる映画ではなかったような気がする。
とはいえ、『風立ちぬ』ほど難解な映画を作られても理解に苦しむから何とも言いがたい。
映画終盤にシータが放った「人は土から離れて生きられないのよ」という言葉に強いメッセージ性を感じた。
いくら強い兵器を持って権力を振りかざしても、いずれ没落する日が来る。
科学技術の進歩ばかりに目を向けるのてわはなく、自然に逆らわずに生きてはどうかという問いを投げかけられているような気がした。
この点では、『風の谷のナウシカ』、『もののけ姫』にも繋がるテーマを持った映画だ。
バルス。