john

20センチュリー・ウーマンのjohnのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
3.6
カリフォルニア州サンタバーバラの穏やかな夏の中、女性三人に囲まれて時間を過ごす男の子の物語。

息子の思春期に対する母親の悩みが中心に語られている印象で、中高生のボーイミーツガール的な設定ではあるものの、視点が母親目線であるのでなんだか既視感はあるけど同時に新しい感じ。今まで映画があまり切り取ってこなかった部分に風を通すような内容。

みんなどこか欠けているが、それでも何とかできる範囲内で無理せずに力を貸し借りしながら頑張って生きている。独特な間延びして退屈で観ていて眠くなる感じが、リアルな夏のカリフォルニアの空気感を出していた。便利な通信機器はなくても、Talking Heads, David Bowie, The Clash, Buzzcocksなどのインディーズロックとたまに入るジャズと共に流れるそんな1979年の風景が、今よりも少しだけ美しく見えた。
john

john