ぺピノ

20センチュリー・ウーマンのぺピノのネタバレレビュー・内容・結末

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

“Having your heart broken is a tremendous way to learn about the world. ”

不思議な温度。何も過度じゃない。そしてそれを支える音楽が耳に残っている。

1970年代のカリフォルニアでの物語。
女性たちの物語で、いくつかフェミニズムの文献も出てくる(いわゆる第2波フェミニズム以後)。そんな女性像が揺らぎつつある時代の中で、母や姉のような存在の同居人、恋人未満の友達との間でアイデンティティを確立させていく少年と、その母親の話。

二十世紀のアメリカのことも二十世紀の女性たちの事も何も知らない自分にとっては、スクリーンまでの距離があまり近くならない映画だった。

母のドロシアが男性や息子に、そして自分自身に対して不器用な姿に胸が痛くなる。あまり直接的な言葉を紡がない昔の女性だったドロシアが、ジェイミーには幸せになって欲しかったから距離をとっていたと告白する時、そしてジェイミーが母親さえいれば幸せだと答えるシーンが心に残っている。
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