待ちに待ったマイク ミルズの新作。
景色、登場人物、衣装、部屋、車、自転車…細部までにこだわった美的センス、音楽のセンスも相変わらず抜群でした。
息子側の、お母さんの人生それでいいの?もっと自由に誰かを愛して幸せになってほしいという気持ちと
母側の、私にとっての幸せは誰にも分からない、私が決めること。という気持ち。
どちらも感じたことのある感情で
どちらの気持ちにも感情移入できた。
女がひとりでいると、レズビアンだと騒ぐ奴ら。思考回路が単純すぎ。女なんて男よりめんどくさくて大嫌いだ。
ドロシアの生き方は素敵だ。歳を重ねても自分の魅力を引き出すファッションを楽しんで自然体で、思いっきり笑った顔のシワも魅力的。歳を重ねてもこうでありたい。
この映画を観ながらなぜか自分の葬式について考えていた。こんな曲をかけてもらってこんな花を使って、こんな棺に入れて送り出してほしいなぁって。
いろんなダンスのシーンがあったけど
やっぱり最後モーテルでみんなが集まってラジオの曲に合わせて踊るシーンがいちばんよかった。
最後に淡々と語られるそれぞれの決まっている未来も、すごく切なかったけどよかった。
いつまでもこの贅沢な退屈に浸っていたかった。