梅ちゃん

時間離脱者の梅ちゃんのレビュー・感想・評価

時間離脱者(2015年製作の映画)
3.9
1983年の教師と、2015年の刑事が同月同日同時刻に瀕死の重傷を負ったことをきっかけに、夢の中で繋がり記憶を共有することとなる。そして1983年、教師の婚約者が連続殺人鬼の手にかかったことから、時を隔てた2人の共同捜査が始まる。1983年の教師をチョ・ジョンソク、2015年の刑事をイ・ジヌクが演じた、韓国製タイムリープサスペンス。

本作のSF設定は、過去の事象変化が並行世界を派生させるタイプではなく、その都度未来に影響を及ぼす設定であるため、2015年で発生した悲劇に限っては、過去の改編によりあっさりと無かったことになる。したがって、2015年においては、画になる悲劇を存分に見せつけて、私たちを散々振り回した挙げ句に物語は破綻しないという、実にうまく出来た仕組みとなっています。

ただし、次々と襲いかかるピンチに、時間を離脱した情報という圧倒的アドバンテージを持つ主人公達が、ことごとく一歩間に合わないという、何かともどかしい展開ばかりで、いわゆるタイムリープ物特有の爽快感はあまり無く、むしろストレスのたまる展開が続きました。

韓ドラでよく見かける様な設定とシナリオの作品ですが、ドラマを楽しもうとすると、1~1.5時間×16話と、非常に多くの時間的資源を犠牲にしなければならないところ、本作は107分でその醍醐味を充分に堪能させてくれます。実にお得な作品ではないでしょうか!😄