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レディ・バードのmanabiのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.8
グレタ・ガーウィグ監督作品
多分私めちゃくちゃ好みなんやと思う。

「ストーリー・オブ・マイライフ」も
大好きだし、同じくシアーシャ・ローナン主演で
ティモシー・シャラメが出てるってので胸熱。

なんなら監督同じの知らなくて
予告でこの2人の共演知って
すぐストーリー・オブ・マイライフが
浮かんできて「観たい!」ってなって鑑賞。

シアーシャ・ローナンって
「自分らしく生きよう」って
伝える表現力が物凄く
長けてる俳優さんだと毎回思う。

この作品の最後の言葉が言えなくて
母とぶつかってきたレディ・バードが
その言葉を放った瞬間
倒れてしまいそうなほどの
強い風が心に吹き抜けた。

母もまた、愛する我が子のために。

自我の強さと愛が空回り。

それは母と子だからこそ似ている部分で
だからこそぶつかり合う。

私も上京してもう9年目だけど
母の優しさと寛大すぎる心、
そして大きすぎる愛に気付けたのは
離れて初めて気付けたから。

この親子の不器用さとパパの優しさが
なんだかとても愛くるしくなる。

家族だけじゃなく、友達との関係や
日々過ごしていく中で
本当に自分にとって「大切なもの」は
何かを気づいていく過程がリアル。

どれだけ憧れの生活、家柄、家族があって
どれだけキラキラした人たちがいても
必ずしもその憧れが自分にとっての
居心地のいい、幸せなものだとは限らない。

見た目の華々しさよりも、
自分がそばにいて心安らぐ人、
他愛のないことで一緒に笑い転げれる人、
その人の幸せを心から願える相手であるのかが何より大切で。

その人の幸せが自分の幸せだと思える。

そしてどれだけ自分を想ってくれるのか。
必要としてくれているのかを
ちゃんと感じ取れる人でありたいとも思った。

最後には自分を偽ることなく、
周りに流されることなく、
「私は私だ。」と堂々と
自分の名を恥じることなく
生きていくことのかっこよさを教わった。

破天荒な人生の中で
成長と共に大切なものと温かいものに
気付いていく、ちょっぴりおてんばな物語。
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