izumi

レディ・バードのizumiのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.0
多感すぎるレディバードに対して恥ずかしいと思いつつも、どうしても憧れや羨望の眼差しで眺めてしまった。

経済面やスクールカーストの面における劣等感や、そこから抜け出そうともがく姿があまりにもリアルだった。
結局それも青春の一部で私にはもう帰ってこないんだなと思うとやはり羨ましい。
強がって嘘をつく姿を痛いと思いつつも、共感してしまうほどにリアルで、10代後半のあの頃の自分を思い出すような感覚だった。
キラキラしてお金持ちの子たちに近づきたくて、自分に嘘をつき本当の自分から遠ざかっていく、、
自分を肯定してくれるような映画だった。

何でもかんでも否定するお母さんにイライラしつつも認めてもらいたいという気持ちも痛いほど伝わった。

“愛情”と“注意を払うこと”

プロムに着ていくドレスを選んでるときに「最高の状態になってもらいたい」と言ったお母さんに
「今の状態が最高だったら?」と聞き返すシーンが印象的だった。
自分が最高だと思ってる自分を認めてほしいんだよな。
愛情のかけ方って本当に難しいなと思った。

プロムのシーンは最高だった。
見栄を張らないで本当の自分でいられる友達と一緒にやりたいことやってるのが最高にキラキラ輝いていた。
あと、NYに行ってから自分の名前を“クリスティーン”と名乗り、良い名前だと言うところ。
同級生への憧れや自分に対する劣等感、母へのもどかしさ、すべてを乗り越えたクリスティンの姿を見ることができて嬉しかったけど、
レディバードが本当に羽ばたいていっていまったようで、寂しい気持ちになった笑
ああ青春が終わったなと。

痛くて恥ずかしい部分を肯定しつつも、
拗れた自分をそっと戻してくれるような優しい映画だった。
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