いやー、どこの誰にでもあるんですよ。
嫌だけど何が嫌なのかわからないし、側にあるからずっと触れてなければならないもの。住んでる街が、自分の名前が、学校が、友達が、親が…
けどふとした瞬間、それは何にも代え難いものだと気づく。そのカタルシスたるや…もう素晴らしい映画体験でした。
中盤でクリスティンが「1人になれる気がするのが洗面所しかない」的なことを言うシーンがあるのですが、家以外にももう1つ現代にはプライベートな空間があることを教えてくれる映画でしたね。
近年車社会と聞くと、環境的にも文化的にも割とマイナスなイメージが浮かんでしまいがちですが、そんな社会でしか実現しない思い出もあるなぁと。毎日の送り迎えって本当にかけがえのないものだったのだと考えさせられますし、自分に子どもができてもそういう場を提供したいとも思いました。
親とお金の話になる時の空気の悪さは世界共通であることも知ることができましたし、コメディシーンの頻度も具合も丁度良く、本当にバランスの取れた質の高い作品です。