思春期という言葉で片付けてしまえばそれまでなんだけどいろんなことに悩んでいろんなことに興味を持った時代があったなあ、ってことを思い出した。
性や異性に対する興味や二律背反する嫌悪感、友達との距離感と自分の居場所の探求。そして根底にある承認欲求と愛の渇望。
それは恋人や友人に対してはもちろん、家族、特に母親に対するものが大きく深く根差している。
それらに悩み、もがき、自分なりの答えを見つけるまでのレディバードの成長にとにかく感情移入せざるを得なかった。
また、随所に絡められるキリスト的教示と政治や情勢に作品の教義と表現の趣の深さを感じた。
序盤はいかにもありがちなティーンムービー展開に辟易したが、後半にかけて急速に展開していく彼女の勇姿に希望を見た。