このレビューはネタバレを含みます
【傷つけ合うってわかりあう。】
2002年、カリフォルニア州サクラメント。閉塞感溢れる片田舎のカトリック系高校から、大都会ニューヨークへの大学進学を夢見るクリスティン(自称”レディ・バード”)。高校生活最後の1年、友達や彼氏について、そして自分の将来について、悩める17歳の少女の揺れ動く心情を瑞瑞しくユーモアたっぷりに描いた超話題作。
面白そうだな〜と思いながら、なかなか時間がなくてやっと鑑賞。
もうすべてはなまる。
自分自身を”レディバード”って呼んでいるクリスティン。痛い。しかもそれを親に強要。痛すぎだろ主人公と映画館でみんな失笑。本当にこんなのずっと見せられるの?そんなの耐えられないと思っていたところに、母と口論しながら走っている車から飛び降りるところで心鷲掴みにされる。
なんだこれ面白い予感しかないぞ。
ダイジェスト式にカトリック系高校の生活が流れる。
全然楽しそうじゃない...。
そりゃあ都会に憧れて出て行きたくなる気持ちもわかる。
おそらく自身の内申書をよくするためだけに立候補した生徒会。
ミュージカルもその一つだったけれど、ダニーと恋に落ちたり。
二人で夜の公園で芝生の上、寝転がりながら星に名前をつけたり愛を伝えあったりなんだよちゃんと青春してんじゃんと思った途端、親友と下品な話に花咲かせたり。さっきのうぶさどこに行ったのレディバード!と思わずに入られない。。婚前交渉で勘当されるような時代にこんな下品な話してていいのか。
ま、そのダニーがもともとなのかわからないけどゲイだったことを知り、裏切られた気持ちになって会うのをやめて避けちゃうんだけれど、ダニーの気持ちに結局寄り添ってあげる優しいところがある。
相手が童貞じゃないと処女を捧げる意味がないみたいなスタンスにも笑える。ポッと出のバンドマンとヤッてしまって相当後悔したり。随所に痛々しさが。。でもレディバードは大真面目。
でもこの痛々しさが青春の痛々しさなのかとも思ったり。
親友とも、そのバンドマンと中のいい他の女の子(イケイケ)と仲良くすることで離れちゃったり、喧嘩しちゃったり。
でもなんだかんだ、レディバードは人を傷つけたけどその分、自分もしっかり傷ついている。母とも親友とも、わかりあおうとしててえらい。好感が持てる。
映画では最初、私のことはレディバードと呼んで、と母と口論しているのに最後には名前を与えてくれた親に感謝の言葉を伝える。
なんで褒めてくれないの?って母に言っちゃうのは認めて欲しかったからなのかな。
誰でも、きっとこの痛々しさに共感できる。共感できない人は、誰のことも傷つけなかったけど、傷つけられてもこなかった人なんだろうなと。
まとまらない〜〜〜〜〜〜〜
とにかくよかった