じゅぺ

レディ・バードのじゅぺのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
5.0
レディ・バード、青春映画オールタイムベスト。なぜか途中から涙が止まらず。親が恥ずかしい、鬱陶しい。しょっちゅう心はすれ違う。けど「愛されてる」としっかり感じたい。自らてんとう虫を名乗る少女は、様々なものを喪失しながら、いつまでも手放したくないものに気づいていく。大切にしたい一本。

ファーストカットとラストカットの対比、最高。編集もテンポがよい。むしろちょっと食い足りないぐらい、ぜんぶを見せないカットのつなぎの中で、じっくり見せる場面が二つ。母と娘の物語なんだと思う。まわりにはクリスティンより輝いて見える人もたくさんいる。

だから彼女は嘘をついたり、見栄を張ったり。自分までむず痒くなってしまう。痛々しい。辛い。でも、この映画には私的な温かみがあるのよ。ガーウィグ監督はクリスティンと自分は正反対の人間だと言ってるけど。それでも、誰もが自分の過去を投影し、しかも作品から"赦し"を受けるような優しさがある。
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