ぽんちゃん

レディ・バードのぽんちゃんのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.9
サクラメントの街と主人公の高校生活最後の1年を切り取り彼女の成長を無理のないテンポで展開していく、特に説明はないがお話を通じて彼女を取り巻く登場人物、背景を感じ取れるストーリーテリングが素晴らしい。

主人公はカトリック系の学校への反抗や違う自分になりたいという願望や主張として自身をレディバードと名乗る。痛い奴。
痛々しいがそういう時ってある。なんかイケてる人達に憧れるというか。行き場のない不満が家族や自分の境遇に向いちゃうやつ。そんな彼女の行動はいつだって中途半端で裏目に働いてしまう。青春だな〜。救いなのが彼女は自分のことをそこまで嫌いじゃないってことだと思う。むしろ好きより、ノビシロありますぞ!

街の風景を通じて、今の自分を形成しているのは今まで暮らしていた何気ない生活や家族からの愛情、名前を含んでいる事に気づく終盤は、ボロボロながらも大人になった彼女が美しくも感じた。

辛かったらサクラメントに戻ってこいよ!俺も頑張るよ!って、なんか清々しい気持ちにすらさせてくれる作品。いいと思う。
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