櫻イミト

リキッド・スカイの櫻イミトのレビュー・感想・評価

リキッド・スカイ(1983年製作の映画)
3.5
有名なカルトムービー。80年代初頭ニューヨークのロック&ドラッグカルチャーが詰まったSF映画。

低予算インディペンデントながら、なかなか面白かった。人間がエクスタシーに達した際に脳内に発生する麻薬物質を、宇宙人目線で可視化している。姿を現さない宇宙人の小さなUFOも斬新な設定。ヒロインの売春婦マーガレットにブラックライトを当ててメイクさせる映像アイディアも秀逸。

制作された1983年はデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」が爆発的にヒットした年で、本作内のファッションや世界観にも直接的な影響が見られる。低予算のため劇伴が安っぽいコンピューター・ミュージックなのが惜しい。

同時代のロック・カルチャーな映画と言えばアレックス・コックス監督の「レポマン」(1984)が有名だが、本作の方がずっとカッコ良い。日本では前年に石井監督が「爆裂都市 BURST CITY」(1982)を作っている。
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