開演でパックが眠りについてから、
終演でパックの口上で締まるまで、
終始、魅入ってしまうほど、完璧なジュリー・テイモアの魅惑的な演出。
自分自身が、夢を見ているような、心地の良い時間を過ごせました。
原作は、シェイクスピアの「夏の夜の夢」
"A Midsummer Night's Dream"
人間の男女の恋を巡る争い。
妖精の王と妃の養子を巡る争い。
いたずら好きな妖精パックの活躍によって、円満な結末を迎える、
悲劇的に始まり、喜劇的に終わる、御都合主義的なお話です。
妖精パックを演じたキャサリン・ハンター。
一挙手一投足に至るまで、
パックが憑依したかのような怪演は、鳥肌ものです。
そんなパックの最後の口上より、
「影に過ぎない私ども、
失礼あらば絵空事だとご容赦を。
うたた寝の夢と同じ、すぐに消える幻。
この浮かれ騒ぎを束の間の夢だと、
思っていただければ幸い。
次はお気に召すよう努めます。
おやすみなさい。
どちら様も拍手を頂戴できるのならば、
心からお礼を申し上げます」
拍手喝采の作品でした。
"hot midsummer night"
お気に召すままに。