LEGION

オオカミ少女と黒王子のLEGIONのレビュー・感想・評価

オオカミ少女と黒王子(2016年製作の映画)
2.0
見栄っ張りのオオカミ少女とドSの黒王子の恋愛模様を描いた物語。人に認められたい、賞賛されたいなどの承認欲求は誰もが一度は感じたことがある感情だと思う。現在の社会でもSNSを利用して多くの人が自分のことを発信している。そんな現代社会を象徴するかのように映画冒頭で主人公がクラス内の人気グループに”彼氏がいる”と見栄を張る展開は興味深くて心掴まれた。しかし次の展開に待ち受けていたのは佐田恭也が主人公に「彼氏になる代わりに俺の犬になれ」という発言で面白さが冷めてしまった。本来なら胸キュンとなる場面なのだろうが、一歩離れたところから見ると何を言ってるのか全く意味がわからず、発言の根拠らしきものも納得がいくものでなかった。意味がわからないのはその発言だけでなく、ある場面でも不思議に思う点があった。人をこき使ったりするように人間における主従関係の概念を持っている佐田が「主人公=佐田の彼女」だと思ってちょっかいをかけた神谷を殴る行為で実際佐田はどのような感情を抱いていたのか。人間に対する価値観が二人は同じであるのに神谷のどこに怒りを感じたのか分からなかった。感情が深く描かれないため多くの場面が表面的にしか映らず意味のわからない画になっていた。そのせいか作品に入り込みにくかった。カメラロールにおいても不自然に感じた点がいくつかあった。ずっと引きの画で撮影したり無駄に長回しして人物に映像が追いかけたりと見やすさの配慮があまり施されているように感じなかった。
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