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孤高の遠吠のmoritaのレビュー・感想・評価

孤高の遠吠(2015年製作の映画)
4.0
観たのは12月30日ですが、2015年の映画納めはこの作品になりました。今年5月からFilmarksを始めて、そこからチェックした作品は121本で、トータルで言うと今年は150本弱くらいが鑑賞数かと思います。恐らく過去最高で、来年はそんなに観ないかなー、と。

さて、本作『孤高の遠吠』ですが、カナザワ映画祭で観た宇多丸氏がタマフルで絶賛していて(同番組の24時間ラジオ企画の時にもアポなしでポスター貼って宣伝させてくれ!と直談判し監督が来たけど、スタッフに追い返されたエピソードなども披露していた)、その放送を聞いてこの作品を知った人が多いのではないでしょうか(もしくは「映画秘宝」に載っていたらしいのでそこでとか)。

僕も完全にそうで、でも東京では観られる機会がないらしいということもアナウンスされていたので忘れていたのですが、Filmarksでフォロワーさんがレビューをアップしていて、それでアップリンクでの上映を知って観に行きました。

映画の概要をサラッとまとめると、25歳の監督が地元・富士宮で実際の元不良たちを起用して撮った不良映画、ということになるのだけど、この不良具合がマジ過ぎて、、、とにかく圧倒される。

基本的には脚本があって--香港映画みたいに随時変更していったみたいだけど(主要キャストが失踪したりして、、、)--、フィクションではあるのだけど、出てる人たちのリアルさがハンパないためドキュメンタリーのようでもあって、その緊迫感がすさまじい。

しかも、映画に登場するエピソードのほとんどは、富士宮の不良たちから取材したものが基になっているらしいので、実際にドキュメンタリーのようでもある。ということを書いていて気付いたのですが、本作は日本版『アクト・オブ・キリング』のような作品ですね。観てる最中の居心地の悪さとか、モヤモヤした胸焼け感は、まさに『アクト~』に近い。

エンドロールには福山雅治「HELLO」のカバーが流れるのだが、この選曲が最高にハマっている。意外にも「HELLO」はモヤモヤした若者のアンセムになり得る歌だった。こういう勘のよさは流石、と思わされる。
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