しょたーん

ダウンサイズのしょたーんのレビュー・感想・評価

ダウンサイズ(2017年製作の映画)
3.5
Netflix人気ランキング4位に輝いていたのでスムーズに再生ボタンをクリック。停止ボタンを押すことなく2時間、飽きることなく楽しみました。

省資源化のために人間や動物も小さくする機械が発明された世界。体を小さくしてしまえば、物質も小さくなるのでより豊かでエコな暮らしができるようになります。そんな世界へ夫婦で飛び込もうとすると、土壇場で妻はダウンサイズを拒否。その時すでに夫は小さくなってしまっており、1人でダウンサイズの世界で暮らしていく。小さな世界の住人と心の交流を描く。

近未来SFのギミックを利用した教訓めいた話なのかと思いきや、愛の話。そう、愛の話になります。
ダウンサイズした人間と通常サイズの人間の隔たりをどうするのかや、政治面での衝突、ダウンサイズしてもなお仕事をして疲れ切ったスラムで暮らす人々(格差社会)とかいろいろ話のとっかかりになりそうなところを掘り下げることなく、結論は愛。

終盤、ダウンサイズ起源のコロニーを訪問した時に、その地区の住人たちがより環境負荷が少ない地下への暮らしに向かう。最後の太陽を浴びる絵はまるでミッドサマーのような不気味さをたたえ、そのコロニーに馴染みのない主人公一行はカルトだとすら思う。環境保護はカルトだと切り捨てるつもりはないけれど、一部の人間だけで大きく改善できる問題じゃないことを踏まえた環境対策をすべきだと、そう思わざるを得ませんね。

この映画の惹きとしては、うだつのあがらないマッドデイモンに対して、ゴリゴリ自分のペースで話を持っていくベトナム人女性の掛け合い。めちゃくちゃ面白かった。それがないと30分で挫折するかも。特にアメリカ人には8種のファックのタイプがある、の件は巻き戻してもう一回見たいぐらい。

※なおNetflixの規制が緩いせいか本編ではペニスがうつります。ペニスフォビアの方にはこちらの映画はおすすめしません。自分で言っておいて、ペニスフォビアってなに。