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ブルーに生まれついてのmuttyのレビュー・感想・評価

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)
3.8
天才ジャズトランペット奏者のチェットベイカー。ジャズは黒人が主流やった時代やのに伝説的に大人気やったチェットは薬物中毒。ドラッグすると、いい演奏ができる。と思い込んだある。ドラッグに溺れるチェットと、チェットを献身的に支える彼女とのストーリーを描いた伝記作品。

イーサンホークがチェットを演じます。最高の演技でした。レッスンもしたそうで、トランペットはもちろん、歌声が甘くて甘くてかっこよすぎでした。この社会性に欠け、薬物に頼る、トランペット以外はダメダメというチェットを見事に演じてました。

やはりこーゆー人やからこそ、ステージに上がって演奏する姿はすさまじくかっこいい。薬でモメて暴行され、上手いこと吹けへんくなって落ちこぼれ、そんな最悪の状況で知り合った彼女の愛がまた素晴らしかった。めちゃ美人でした。

落ちこぼれて、風呂でタバコを指に挟みながらトランペット吹いて、トランペットから血がしたたって。。。かっこよすぎやろ。ここ以外も色彩はもちろん映像として印象的なシーンが多く、音楽映画やのに映像的な作品でした。

この作品がすばらしいのが、過去の回想シーンが、自身の人生を描いた映画(落ちぶれる前に撮影してました)のシーンを使うとこ!!白黒で。なんと斬新でオシャレな。

スパルタ超絶スポコン音楽映画「セッション」もかなり良かったけど、この作品もかなり好きです。監督脚本これが1作目とは末恐ろしい。

最後の楽屋での会話がまたかなりいい。やめろ、ではなく"your choice"やと。

ラストのラストはかなり悲しいけど、まあそうよね。彼女は、チェットのいい演奏よりも更生を願ってますからね。やからこそ気付いてまうし。切ないけど愛を感じました。

全てを犠牲にしても、その時、その瞬間に最高の音を出すということだけが人生の全て。素晴らしい作品でした。

"Time gets wider, you know. Not just longer."
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