うわぁ、Miles DavisのMILES AHEADのほうが個人的にそこまで好みでなかったから、こちらハードル下げてしまってました。
素晴らしかった。
チェット・ベイカーの全盛期の話かと思いきや、ドラッグの売人に顎と前歯を折られてから再起する姿。
トランペット。体験したことはあるけれど、音が出るまでに30分かかったのを覚えてる。息をするように自在に演奏できたものを、またゼロから。その執念も努力も感服する。
本当にイーサン・ホークのチェットが素晴らしくて、ピザ屋でのつたないサマータイム(だったかしら)すら、聴きいってしまった。
バルブリングでのプロポーズが素敵。
ドラッグを断ち切ろうとしていたチェットの終盤の選択はとても哀しくて、音楽を愛してとり憑かれた男の選んだ結果がなんともいえず切なかった。
ステージにあがる前にジェーンがついていたら、なにか変わったのかな。
彼女の涙は全てわかってのものだったんだろうか。