ワッツマイケル

ブルーに生まれついてのワッツマイケルのレビュー・感想・評価

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)
3.9
 イーサンホークの表情が印象的すぎて、もうチェットベイカー本人の顔が思い出せない。
 脆く危うい、依存的な生き方。問題児を観てるよう。音楽へのすがり付くような愚直さはよく表現されていた。最後のバードランドのシーンは、彼の光と影が圧縮されたよう。2人各々の選択と、その先に待つ、彼の至極の演奏。
 華やかさや派手テクとは違う、アンニュイで粘着質な魅力はこうして生まれたのか。繊細でかすれそうな、哀調の歌声やトランペットが今まで以上に魅力的に感じる。

『ブルースの女王』を観て、こちらは思い出しで記録。