将来への不安に満ち、まだ何者にもなれていない若者と頑固な老人が交流を経て、互いが変わっていく物語。正直よくあるプロットではあると思うのだが、この作品はそこに「70-90年代の女性への社会的性差別」「音楽」というエッセンスを加えることで独自性と力強さを手に入れていると思う。
特に音楽の描かれ方がとても良い。劇中に出てくるラジオ局「KOXA」の元ネタは、シアトルに実在する非営利のラジオ局KEXP。最小限のMCとDJ達の気骨ある選曲。もともとこの局のファンだった自分は、その描かれ方にたまらなく嬉しくなった。
https://kexp.org/
"キンクスはもっと評価されてしかるべき"