focenokanom0928

定職/就職のfocenokanom0928のレビュー・感想・評価

定職/就職(1961年製作の映画)
4.2
2016/9/17
シネマテーク 再上映2回目
今回も大盛況、満席だった。


2016/5/13
鑑賞後、映画批評家・大寺眞輔さんの講義付き。

予算のない中、自分の遺産である家を売り、友人からの融資を得て作り上げた作品。
実際にオルミが働いていた職場での撮影で、出演者も同僚や知人、俳優を職業としない人物のみ。
そのため、6週間のウィークエンドのみという短い期間で撮影が行われた。

オルミは俳優を職業としている人をほぼ使わない監督で、主演の2人も実際に技術職として就職活動をする学生から見つけたそう。(実際に就職に苦労している人間の内面から出るものがその人にはあるため)

ヒロインに抜擢した、ロレダーナ・デットはオルミの妻となる。この作品で出会い、オルミが好意を寄せ、今でも幸せな夫婦生活を送っているそう。

語らずとも、シーンや俳優陣の仕草・表情で感じとれる演出がすばらしかった。

今まで『明日へのチケット』しか観ていなかったことを後悔するくらいよかった。
『木靴の樹』も観そびれてしまったが、観られる限りの作品はみたいと思う。
最新作『緑はよみがえる』では、息子のファビオ・オルミが撮影監督としてカメラをとっている。

オルミに影響を受けた監督に、キアロスタミ、スコセッシが挙げられていた。
キアロスタミは納得。スコセッシも作中でオマージュしているものがあるらしい。
そちらも気になるところ。
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