たばさ

4のたばさのレビュー・感想・評価

4(2005年製作の映画)
2.9
ウラジミールソロキンという現代ロシア作家の脚本による作品。

最初の方は1人の売春婦とその女を狙う2人の男がバーでお酒を(ウオッカをガブガブと)飲みながらタバコを吸うという至って落ち着いた雰囲気。3人ともが話す自分のことは作り話。洒落てないコーヒーアンドシガレットといった感じか。

この映画のタイトルである"4"の話が片方の男の話に出てきたその後からシーンは異様さを増してくる。

まさに作り話だったはずの"4"は都市から遠く離れた田舎で実際に存在していた。どこか人間味のない、むしろ動物的だと言えるその集落では狂気のようなものを感じる。

脈絡もなく組み込まれたデシャヴのようなシーンなどによって全体的にストーリーが分解しているような、そういった部類の恐怖を感じた。全てのことが辻褄があうとは限らない、そういう類の。
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