これもとても良かったですね。
誘拐され部屋へと監禁された女性がその部屋で生まれた息子と共に脱出をめざし、そしてその後のお話。
ただ単にどうやって脱出するかに終わらず、久しぶりに世界に出てきた人間がどう現実を受け入れていくのかってとこまで踏み込んでいるので新鮮で面白かった。
部屋が世界の全てだと思ってきた少年にとって母親が話す真実は嘘にしか聞こえないんだろうな。
ほんとにたった一つの部屋で過ごしているのにあまり狭く感じさせないように映しているカットも印象的。その分ラストシーンとの対比が光る。
そして脱出劇のその後。母親と息子でより辛そうなのが母親ってところがなるほどなと。息子は初めて見る世界だったけど1度受けいれてしまえばなんともないのかもしれない。子の適応力の高さみたいなものを感じる。
けれども母親は鬱気味になっていく。1度世界の存在を知っている分失った時間の価値が分かってしまう辛さがあるんだろうな。
けれども息子ジャックの存在がゆっくりと母親を癒していく。そういう過程が面白かった。
ジャックが初めて見た世界にどんな印象を持ったのかリアクションをもっと見てみたいな。
「僕の髪にはパワーがある」